飲食業や接客業における業務用エアコンの選び方とクリーニングのポイントはお話ししましたが、オフィスや、学校、病院や介護施設では、選び方・クリーニングのポイントがまた違います。
業務用エアコンは従業員や生徒、入居者などが快適に過ごすための装備で、クリーニングはそこで生活する人々の健康を守るためと業務用エアコンの性能維持に必要不可欠なメンテンナスです。
それぞれの施設に選び方とクリーニングのポイントがありますので、順にお話ししたいと思います。
オフィスでは基本的に事務職、ひいては座って行う業務が主になるかと思います。
その際、重要なのは全体的に空調が行き届くことです。
よく聞くオフィスの取り付け工事の失敗例として、一部の人は暖かく、一部の人は寒いという同じ空間の温度がまばらであることが挙げられます。
これは業務の効率化に関わります(例えば、右肩に空調が直接当たるようでは、指先が動きにくくなり入力作業に支障が出ることが考えられます)学校でも同じことが言え、生徒の集中力に差が出る可能性があります。
席替えの揉め事になることもあるでしょう。
また事務職や学校では長時間、同じ場所にとどまるため、足元が冷えるなどの状況を避け、天井から足元までを適温で保つことが大切です。
人検知や温度検知ができる機能があれば、省エネも実現可能ですし、OA機器が発する熱量も考慮することができます。
オフィスや学校の業務用エアコンは飲食店に比べて、目立って油汚れがつくという訳ではありません。
最近では分煙している会社がほとんどですので、業務フロアで匂いがつくということも可能性としては低いでしょう。
しかし、そこに滞在するメンバーは常に同じ人です。健康管理や電気代節約、修理費がかさむことを回避するためには、フィルターの点検やクリーニング・掃除が必要です。
病院や介護施設でもオフィスと似たことが言えます。
しかし、身体の弱っている人やお年寄りが集まるため、より繊細な温度調節の機能やクリーニングが必要です。
業務用エアコンによって喉を痛める経験をしたことがある人がほとんどだと思いますが、病院や介護施設ではこういった点も配慮しなければいけません。
換気が難しい医療施設では、価格が高くても調湿機能のついたタイプや空気清浄機能、カビ取り機能がついたものを使用することをお勧めします。
温度については、熱がある病人がいるのに必要以上に温かいことにも気をつけなければいけませんし、後期高齢者の方は体温調節機能が働かない人も少なくありません。
また、入居者の一人一人が勝手に温度調節をしては、他の人の健康が損なわれる可能性があります。
そのため、一括で職員が管理できる集中リモコンのタイプがお勧めです。
クリーニングに関してはカビやホコリが肺炎や風邪の原因になることがあります。
特にお年寄りにとっては命取りになることがあるので、フィルターだけでなく、定期的に販売業者に依頼して内部もくまなく清掃してもらうことが大切です。